プチトマトに10倍支払った珍経験

私は異国韓国ソウルで、1年半ほど生活したことがあります。

今ではもう10年以上も前で、あの様にさほど長い経験ではありませんが、不思議と今でももう一つの故郷の様に親しみ深い存在であり続けています。

ソウルで生活することになったのは、100%主人の仕事関係で起きた出来事でした。

異国という不慣れな場所でありましたから、言葉や生活習慣においての不便さは付きまとっておりましたが些細な物と言えます。

何故なら、私達夫婦の現地での生活は金銭面では最初から最後まで大変恵まれていたからです。

そこでの生活の間、主人は現地の会社で働いておりましたが、それは彼が「志願して」ではなく、現地の会社さんに「招かれて」のことでありました。

よりわかりやすく言えば主人は「お願いされた」ので移住してまで現地の会社で働くことになったのでした。

会社側よりも有利な立場にあった主人ですからそれ相応のお給料を頂いており、同伴者である妻の私は金銭面の苦労が無い分、異国でも軽やかに生活できたと今振り返ります。

さて、現地では金銭的に恵まれていたとは言っても、決して富裕層の生活並みだったわけでもはありませんでした。

それでは、どの程度の金銭的豊かさがあったかというと、「日々節約に励まなくても、必要な物は必要な時に買う事が出来る」、「日常的にスターバックスの様なカフェチェーンのカフェの店舗に入ってコーヒーが飲める」、「休日には躊躇なくちょっとくらい高価でも日頃食べない美味しいものを気が向けば買って食べられる」、そんな程度だとご理解いただければと思います。

そして私自身、昔からブランド品というものに興味は一切なく安物好きで、主人もあまり贅沢を望まない所があります。

ですから、結局二人とも、お金についての心配なく暮らせる豊かさの中にいながら決して派手に散財するなんてことは一度もありませんでした。

ですが、私は一度間違ってトマト一袋買うのに、付いている値札の10倍もの代金を払ってしまったことがありました。

凄い散財っぷりみたいな振る舞いみたいですよね。

場所は、当時の住まいから歩いて行ける範囲にある、日本で言う”農協”かそれに近い存在の事務所の様な建物の所だっと思います。

その建物前のスペースの前は日頃駐車スペースになっているに過ぎなかったと思います。

ですが生活しているうちに気づいて行ったのが、時々そこでは建物前のスペースを使って設置したテントを店舗に、して地元の新鮮野菜の販売がなされている事でした。

明らかに普通にお店で買うよりも、安くて新鮮な野菜が手に入ると伺い知れ、私は偶然通りかかった際に、野菜販売がされていればチャンスとばかりに何かしら買い物を楽しんでいました。

でもある時をきっかけに、そこでの野菜即売を見かけても蘇る恐怖心から足を運ばなくなって行きました。

そのきっかけとなったのは、そこで売られていたプチトマトを一皿購入しようとした時でした。

ついていた値札は確か3000w(ウォン)で、当時もきっと今も、日本円で300円という風に解釈頂ければと思います。

私は、欲しい一皿のプチトマトを指さしながら、目の前の担当の男性に「コレを一皿下さい」とハングルをでいうと、男性は「ネー」と現地での日本語の「ハイ」にあたる承諾の言葉を言って、皿に盛られていたプチトマトを黒いレジ袋に入れ替えてくれました。

そしてトマトが入った袋が手渡されるのと交換に、私はお代3,000W丁度渡そうと1,000W札3枚をその男性に差し出しました。

その瞬間、その男性はすぐに「あれっ?」という表情を示しましたが、すぐに「あーっ」と何か納得した表情になり、その後正いかにも私の支払いに感動さえしているような素振りをしているように見えました。

ですが、韓国語で上手くコミュニケーションが取れない日本人として、彼がなぜそのような不思議な素振りを示したのか理解できないまま、私はとりあえず購入したプティトマトの入った黒い袋をぶら下げて帰宅するしかありませんでした。

帰宅して早いうちに、私はハタと気づきました。

そしてなぜ、あの男性が私野支払いに感動の表情を示したのかが良く分かりました。

私は、一皿3000Wののプチトマトに、3枚の1,000w札ではなく誤って3枚の10,000w札を支払っていたのです。

3000w(日本円で300円相当)のプチトマトを買うのに30,000W(日本円で3,000円)という支払いをしてしまっていた私でした。

そして受け取った販売先の男性は、どうやら「お金持ちの日本人による寛大な支払い」と勘違いして感動していたのだと後に察することが出来ました。

私は現地では、日々欠かさず主婦としてのお買い物をしており、毎日のように韓国ウォンを使う場面がありました。

小銭の扱いはいつまで経っても慣れない所がありましたが、お札に至っては使い辛さを感じずに来たつもりの時、一桁も間違った支払いをして、相手の男性に勘違いさせ、自分自身大損した事が当時は暫く大変ショックでした。

3000wのトマトに30000wなんている寛大な支払いをする日本人と勘違いさせてしまったなんて、こんなお金の大きな失敗、二度としたくありません。