においの記憶




私の母方の祖父は、家具をつくる仕事を、
父方の祖父は、畳の仕事をしていました。

そのせいでしょうか。
木のにおい、畳のにおいを嗅ぐと、その頃を思い出します。

畳のしまってあった倉庫で、こっそり遊んだ事。
肩車してもらってをもぎとった柿の実。
木工所の職人さんにしてもらったキャッチボール。
木屑を焼却炉に投げ入れて、炎を見て暖まっていた事。

だからでしょうか。
木や土など自然の素材を自在にあやつれる作家さんや職人さんが大好きです。
彼らには、優しさや暖かさを...そして芯の通った頑固さを感じます。

祖父は若い頃、リヤカーに箪笥をのせて、売り歩いたそうです。
そんな姿を想像するだけで勇気をもらえます。
祖父母や父母の力があってこそ、今の私たちがあるわけで...
そんな愛情に感謝し、見守ってくれている人に恥じない仕事をしていきたいものです。

においの記憶が数十年も続くように...
今、私たちがつくるモノが大事にされ、受け継がれるものであって欲しいと願います。