土の暖かみ




「あっ。あーっ。えー。」
手を滑らせたんです。一瞬のことでした。
洗っている時に。ちょっと考え事をしていたからでしょうか。
とても気に入っていた松波曜子さんの「湯呑」を割ってしまいました。
かなりショックでした。

ぽってり手のひらにおさまる暖かい器。
お茶をいれたり、コーヒー入れたり、寒い冬は、両手で包むように持ち
器を通して感じる暖かさに「小さな幸せ」を感じていたのです。

つかっていると、深みを増していくその質感。
いい感じの色艶になっていたのに...ほんと残念。
無くしてから気付くんですよね...大切さに。
食器棚にその湯呑が無いとちょっとさみしさを感じます。

松波さんの器を使っていると、陶器って『土』からできているんだなと、
あたらめて感じます。

そうそう“幸せの「幸」っていう字には「土」がある”って
だれかが言っていましたよ。
「土」のあるところは「幸せなところ」なのかもしれませんね。

それにしても手のひらや指先で感じる、触覚ってホント不思議です。
ざらざら、スベスベ、でこぼこ、ツルツル、ツブツブ...
微妙な違いを感じとれる「人の手」ってすごいと思いませんか?
そんな作品に出会うと、思わず手がのびるのです。
手から伝わる刺激が、物欲をかき立てるのでしょうか。

松波さんの器の、なんだか触っていたくなる「ざらっとした感じ」...いいですよ。
気持ちをなんだか柔らかくしてくれるのです。

また新しいの、買おうかな...

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